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福島県でのペットの保護活動について

1.概要

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平成23年3月11日にはっせいした東日本大震災において、環境省からの依頼により、福島県や環境省が中心となって実施している原発警戒区域内(福島第一原発を中心に半径20km圏内)での被災ペット(犬・ねこ)の保護収容作業の支援活動に参加(11月14日から18日の5日間)する機会を得ました。
派遣先では、警戒区域内の浪江町、大熊町、富岡町を中心に巡回し、被災動物の発見と保護・収容作業を行いましたが、作業は防護服を着て行うため動きが制限されるなど厳しいものでした。

2.現地の状況

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警戒区域内は現在も悲惨な状況で、崩壊した家屋や店舗は手つかずのままで放置され、富岡町では海岸から2.5km地点に、津波で打ち寄せられた家屋のがれききや車・船が山のように押し流されていました。
また、国道から一歩入れば道路は至る所で寸断され、場所によっては応急的処置でかろうじて通行できる状態であり、更に誰一人いない家の庭には雑草がうっそうと茂り、時間の経過を感じました。

3.保護状況

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巡回作業を行い、数頭の犬・ねこの収容を行いました。保護した動物は、一度拠点事務所まで連れて帰り放射線量を測定したうえで、必要に応じ除染後にシェルターまで搬送しました。

福島県動物救護本部で管理している被災動物の状況(H24.2.1現在)
犬 保護頭数:549頭(うち返還・譲渡:300頭)
ねこ保護頭数:216頭(うち返還・譲渡:144頭)

本格的んな冬を迎えてもなお、警戒区域内には犬やねこの他に。震災後に生まれたと思われる子牛を連れた肉牛の群れや、豚やダチョウが街の中を徘徊し、野生のサルが餌を探して人気のない家の屋根の上にまで進出していました。

4.最後に

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現地で作業をしてみると、震災で被害にあったのは人間だけではなく、そこにいたペットや家畜を含めた多くの動物たちも犠牲になっており、今なお復興が進んでいない現状を目の当たりにして、もどかしく感じました。
今後、南海、東南海地震が想定されている徳島県において、今回の貴重な体験をもとに災害時における動物救護対策の充実を図りたいと考えています。