動物とのくらし

拾い食い

拾い食い

うちの犬は散歩中、何か落ちているものを見つけるとすかさずサッと口の中に入れてしまいます。そのときはすぐに口の中に指を入れて取り出すのですが、もし誤って危険な物を飲み込んでしまったら・・・。心配でなりません。

また、常に地面を気にして歩いているので、まともな散歩も出来ていない状態です。

どうすれば拾い食いをせずに上手にお散歩が出来るようになるのでしょうか??
最近、落ちているものを見つけて口に入れるまでのスピードが速くなってきたような気がします・・・。

地道な練習を重ねましょう♪

毎日散歩をする道には、タバコの吸殻(※)やガラス、ビニール袋、おやつやウンチなど様々なものが落ちています。どれも犬にとっては魅力的なものばかりです。それらを口に入れたとたん、飼い主さんが「あっ!ダメ!」などと叫び、無理に口を開けさせようとすると、犬はせっかく見つけた宝物を取られまいとして、大急ぎで飲み込んでしまうことがあります。また、こじ入れた飼い主さんの手を咬んでしまうことも考えられます。でもいきなりそんな場面に遭遇すれば、愛犬の安全を守ろうと思うあまり、反射的にこのような対処をしてしまうものです。
拾い食いは、散歩をしながら少しずつ治すのではなく、あらかじめ拾い食いをしないように、トレーニングをすることが一番有効です。

  1. 最初は家の中や家の小道など、愛犬にとって馴染みのある、気の散らない場所で行います。用意するものは、犬が口に入れてしまいたくなる食べ物(普段食事やご褒美として与えていないもの...例えばパンなど)です。それを地面に置きます。またあらかじめ地面に何か危険なものが落ちていないか、確認しておきましょう。
  2. 愛犬のリードを持ち、地面に置いてある食べ物の前を通りましょう。魅力的なものを見つけた犬は、必死でそれを取りに行こうとリードを引っぱるでしょう。
  3. それでもリードをしっかりと持ち、じっと立って愛犬が絶対に食べ物に届かない距離を保ってください。
    (※このとき、絶対に無理にリードを引っぱったり、声や態度で注意をしないこと)
  4. しばらくこの状態が続くと、犬は一瞬リードを引くことを止めるでしょう。そのタイミングを見逃さず、「○○○ちゃん、おいで♪」などと号令を出しましょう。最初のうちはその後に、おやつを見せて誘導しても構いません。
  5. 犬が地面の食べ物から離れて側に寄ってきたら、言葉で褒めてご褒美を与えましょう。

この練習をくり返すために、何度も何度も誘惑の食べ物の前をリードをつけた状態で歩いてください。すると犬は次第に、”地面のものを取るよりも、飼い主さんの顔を見るほうが簡単においしいおやつが手に入る”ということを学習し始めます。

家の中や近所の道でできるようになったら、次第に練習場所を広げていってください。この練習を重ねることで、自然とアイコンタクトやツケが出来るようになり、散歩も楽になってくるでしょう。

ただ注意しなければならないのは、絶対に地面に置いた食べ物を食べられてはいけないということです。犬が食べることに成功してしまったら、その成功がよい印象となるために「な~んだ、隙をついて取れば食べられるんだ♪」と学習します。犬にとってのそのたった1回の成功を、練習によって消すことはとても時間のかかることです。ですから、散歩でたまたま道に落ちていたものを口に入れてしまうという経験をさせることは避けてください。本来は、散歩を始める前の練習の段階で、落ちているものに興味がないという状態にしておくのがベストです。

すでに拾い食い癖がある犬でも、地道に、時間をかけて練習し、飼い主さんがきちんと管理ができれば治せない問題ではありません。ただ、悪い習慣の”治療”は”予防”よりも時間がかかることは避けられません。


※たばこの吸い殻を誤飲することに注意するだけでなく、副流煙による受動喫煙の害にも気をつけてください。また、消臭剤、殺虫剤などの化学薬品も嗅覚の発達した犬や猫には大きなストレスになる可能性があります。
参考:
住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン【環境省】

  • 2018/02/27
  • advision