トイレの問題[大人のオス犬]
もうすぐ1歳になるオス犬を飼っています。生後3、4ヶ月の頃にはトイレを覚え、それ以来きちんとサークルの中に戻ってトイレをしていました。しかし、最近、突然オシッコだけところ構わずするようになってしまいました。もう一度トイレを教えても一向に直りません。部屋のニオイも気になり、とても困っています。
マーキング行動はワンちゃんが大人になった証拠
オス犬は大人になると、メス犬を引き寄せるために、また、自分のテリトリー(縄張り)を主張するために自分のニオイをあちこちにつけて回るようになります。これはマーキングと呼ばれる行動です。マーキング行動が出はじめるのは生後5ヶ月~1歳ぐらいのとき。一日に十数回以上、いたるところにチョビチョビとオシッコをかけて回るようになります。
◎マーキングの特徴◎
- 未去勢のオス犬である
- それまではちゃんとできていたのに突然できなくなった
- 部屋の壁や柱、家具など高い所に片足を上げてオシッコをかける
- 頻繁に少量ずつオシッコをする
このような行動が見られる場合は、まずマーキングであると考えていでしょう。
★できるだけ早く去勢する★
マーキング行動がはじまると、もう一度トイレトレーニングをして元に戻そうとする飼い主さんは多いのですが、残念ながらトレーニングでマーキング行動を抑えるのは非常に困難です。これは、マーキングが男性ホルモン由来の本能的な行動であるためです。足を上げてオシッコをしはじめる前に去勢をすれば、今後マーキング行動が現れることはほとんどありませんし、すでにしはじめてしまった犬でも、早めに去勢をすれば、マーキングはだんだんと減っていきます。ただ、何年間も足を上げてオシッコし続けた犬は、その行動が脳で学習され習慣になって残ってしまうことが多いです。ですから去勢はできるだけ早く、その行動が出るか出ないかの時期に行ったほうが良いでしょう。
★去勢後のマーキング対処★
去勢をしたからといって突然マーキングが治まるわけではありません。去勢をしたらまずは経過をよく見てください。ウンチはちゃんとトイレの上でできているのであれば、ウンチがうまくできた時にご褒美のおやつをあげてたくさん褒めてあげてください。オシッコがうまくいったときも同様です。ご褒美をトイレの近くに置いておき、トイレができたらすかさず与えて褒めてあげるのがコツです。
また、よく観察すればある程度マーキングしそうな場所の傾向は見つかると思います。そのような場所すべてにペットシーツを貼ったり、L字型のトイレを置いておくのも一つの手です。
また飼い主さんの目が届かないときには、ケージ(クレート)に入れておく習慣をつけましょう。見ていないときに失敗することは多々あります。飼い主さんのきちんとした管理も重要です。
よその家に遊びに行ったときなどにどうしても心配であれば、マナーベルトを使用するのもいいでしょう。ただし、マナーベルトを付けても犬の行動自体が変わることはありませんので、これはあくまで一時的な対処法として考えてください。